* 女王の微笑み  *




「なぁ、井上ー」

「なんだよ」

「葉柱さんと姐さんって付き合ってんのかなー」

「あ?なんだよそれ」

「だってさぁー。姐さん、すっごく楽しそうじゃね?」

「・・・・・」

「あ、ほらあの笑顔。俺、姐さんのあんな顔見たことねぇし」

言われて、視線で彼女を追ってみた。なるほど、笑顔というよりかはSっ気たっぷりの皮肉顔。
お前、あれが楽しそうに見えるのか。俺には葉柱さんをいじり倒すことに喜びを得た悪魔の笑顔に見える。


「お前、Mなんだな。知らなかった」

ぼそりと言った俺の言葉は幸い奴には聞こえてなかったようだ。相変わらず奴は二人を見ながらため息なんかついている。

「姐さんはさぁ、黙ってれば美人な部類だと思うんだよな」

「・・・・お前・・・」

「あの笑顔、俺に向けてくれないかな」

そうか、お前そんなにあの人か好きか。だけどどう見ても望みはないな。

「葉柱サンもやっぱり、姐さんが好きなのかな」

「どうだろうな。まぁでも、嫌いではないだろうな。」

力でならいつでも簡単にねじ伏せられるだろうに、葉柱さんはあの人にいじられるままになっている。多分、好きなんだろうな、とは傍らでため息をつく友人のために言わなかった。



まぁ、あれだ。

とりあえず。





「葉柱さんはMだな」





今度ははっきりと、聞こえる声で言った。




















メグさんに惚れてる部員が必ずいると思う。